「Zより」と「Sより」のワイヤーロープを徹底比較|扱い方や選び方と注意点について

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ワイヤーロープの選定で迷いやすいポイントが「Zより(右より)とSより(左より)の違い」です。どちらを選ぶべきか判断できず、現場で「ねじれが出た」「荷が回転して危険だった」「キンクが発生した」などのトラブルにつながるケースも少なくありません。

  • Zより・Sよりの正しい違いを知りたい
  • 玉掛け作業でどちらが適しているのか判断したい
  • ねじれ・キンクを防ぐための扱い方を理解したい

本記事では、Zより・Sよりの特徴比較、用途に応じた選び方、キンク防止の扱い方、点検基準までを実務レベルで解説します。ワイヤーロープの安全性と寿命を左右する重要ポイントをまとめました。

より方の選定や仕様相談なら、JIS規格ロープを扱う【ニッサンスチール】へ。現場に最適なロープをご提案します。

お問い合わせ・見積依頼はこちらから

ニッサンスチールJIS規格のワイヤーロープを基盤に、安全性を保証しながら、規格外・特注や大ロットにも柔軟に対応します。
国産素材×海外加工でコストも最適化初めての調達でも安心してご相談ください。

目次

ワイヤーロープのより方とは? Zより/Sよりの基礎知識

ワイヤーロープのより方とは? Zより/Sよりの基礎知識

Zより・Sよりとは?(より方向と見分け方)

ワイヤーロープは、複数の素線(ワイヤ)を撚り合わせて構成されており、この「撚り方向」を より方(より方向) と呼びます。

より方には主に Zより(右より) Sより(左より) があり、ロープ表面を斜めに走る素線の角度を見ることで判別できます。

  • Zより(右より)
     素線の傾きが右上がり。一般的に最も多く流通しているより方です。
  • Sより(左より)
     素線の傾きが左上がり。2本吊りの際など荷の回転を抑えたい作業で使われます。

より方は見た目だけでなく、使用環境・荷の回転方向・巻き取り方向に大きく影響するため、玉掛け作業では重要な判断ポイントになります。

ロープ構造とより方の関係(6×24、6×37 など)

ワイヤーロープは「より方」だけではなく、素線数 × 本数によって構造が分類されます。

【例】

  • 6×24:6本のストランド × 24本の素線
  • 6×37:6本のストランド × 37本の素線

これらは柔軟性・耐摩耗性・ねじれ特性に関わります。

より方(Z/S) × ロープ構造(6×24 等)の組み合わせで、
ロープの扱いやすさやキンク発生率が変わるため、現場の用途に合わせた選定が必要です。

玉掛け作業でより方が重要になる理由

玉掛け作業では、荷を安全に吊り上げるために ロープのねじれ・回転 を最小限に抑える必要があります。

より方が合っていないと、以下のようなリスクが発生します:

  • 荷が回転し、作業者の危険が増す
  • ロープ内部のストランドが偏摩耗し、寿命が短くなる
  • キンク(折れ曲がり)が発生しやすくなる
  • 玉掛けワイヤーロープの荷重バランスが崩れやすい

そのため、より方の理解は「玉掛け技能講習」でも重要項目として扱われています。
安全に荷を吊るためには、現場の条件に合わせてZより・Sよりを選ぶことが欠かせません。

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Zより・Sよりの違いと用途に応じた選び方

それぞれの特徴とメリット・デメリット

ワイヤーロープは、より方向によって性質が大きく異なります。Zより・Sよりには、それぞれに向いている作業と注意点があり、誤った選定は扱いづらさやキンク発生の原因になります。

Zより(右より)の特徴

  • 素線が右上がりに見える最も一般的なより方
  • 巻き取り方向や多くの機械と相性が良く、汎用性が高い
  • 建設現場を中心に、玉掛け作業で幅広く使用される

Sより(左より)の特徴

  • 素線が「左上がり」に見える
  • 荷が回転しやすい作業で力を発揮
  • Zよりと回転方向が逆になるため、組合わせることで回転抑制の効果がある

Zよりが向く作業(一般玉掛け・クレーン吊り 等)

Zよりは最も一般的なより方で、以下のような用途に広く使われています。

  • 建設現場での一般的な玉掛け作業
  • クレーンでの重量物吊り上げ
  • 荷を回転させない作業全般
  • 標準的なウインチ・巻き取り設備との組み合わせ

特に、作業条件が一定でない現場では汎用性が高く扱いやすいのが特徴です

Sよりを用いる作業(回転防止・インフラ作業 等)

Sよりは、左方向のよりのため、以下のような用途で効果を発揮します。

  • 2本吊りの作業で荷が回転しやすい場合
  • Zより単体でねじれが発生した際にSよりと組合わせる

回転を抑えたいインフラ工事や特殊吊りで選ばれるケースが多く、現場特性に合わせてZよりと組合わせることで安全性が高まります。

ワイヤーロープのキンクを防ぐための正しい扱い方

ワイヤーロープのキンクを防ぐための正しい扱い方

キンクが発生する仕組み(ねじれ・張力)

キンクとは、ワイヤーロープがねじれて 輪(ループ)を作った状態で強い張力がかかり、ロープが折れ曲がって潰れる損傷のことを指します。
一度キンクが発生すると内部のストランドが歪み、ロープ本来の強度は大きく低下します。

キンクが起こる主な原因は次のとおりです:

  • 不適切な方向へのねじりが加わる
  • 荷重が急激にかかる(衝撃荷重)
  • ドラムやウインチへの巻き取り方向が合っていない
  • より方(Z/S)と作業内容の相性が悪い

特に、Zよりのロープを左回転の力がかかる作業に使ったり、その逆を行うとキンクが発生しやすくなります。

巻取り・保管時の注意点

キンクは現場だけでなく、保管・運搬・巻取りの段階でも発生しやすい損傷です。以下のポイントを押さえることで、キンクのリスクを大幅に減らせます。

1. ロープは必ず“回転方向に合った方法”で巻き取る

Zより・Sよりと巻き取り方向が逆だとねじれが生まれます。
ドラム・ウインチの巻取り方向を確認し、より方との相性を合わせることが重要です。

2. ロープを床に転がしながら引き出さない

床で転がしながら延ばすとロープに逆方向のねじれが発生し、キンクの原因になります。
リールから上方向に回転させて引き出すのが原則です。

3. 曲げ半径を小さくしすぎない

ワイヤーロープは金属なので、無理な曲げが蓄積すると局所的な歪みが起き、キンクにつながります。
保管時も急な折れ曲がりを防ぐ巻き径にする必要があります。

現場でのNG行動と防止策

キンクの多くは、「ついやりがちな現場のクセ」から発生します。
以下のNG行動を避ければ、安全性が一気に向上します。

NG①:吊り荷を無理に回して位置合わせする

ロープのねじれが蓄積し、最終的にキンクを引き起こします。
対策:荷の方向調整は玉掛け補助具(回転リンク等)を使用する

NG②:ロープを地面に投げて伸ばす

内部のストランドを傷め、ねじれも誘発します。
対策:リールを使い、ロープが自然に回転しながら送り出せる環境を整える

ワイヤーロープの点検と交換基準(安全規則ベース)

外観で確認すべきポイント(素線切断・摩耗・腐食)

ワイヤーロープは使用するにつれ、摩耗・変形・素線切断などの劣化が徐々に進行します。
玉掛けワイヤーロープは荷を支える重要な役割を担うため、日常点検で異常を早期に発見することが安全の第一歩です。

外観で確認すべき主なポイントは次のとおりです。

1. 素線切断の有無

短い範囲で素線が複数切れている場合は、内部でも損傷が進んでいる可能性があります。
6d(ロープ径6倍)または30dの範囲で切断数を確認するのが一般的です。

2. 摩耗・偏摩耗

ストランドの一部だけが極端に摩耗している場合は、ドラムとの相性や荷の偏り、あるいはより方と作業内容のミスマッチが原因と考えられます。

3. 腐食・錆

表面が錆びている場合、内部ストランドも腐食している可能性があり、強度低下の原因になります。

4. 変形・座屈・押しつぶし

ロープの局所的な潰れ(バードケージ現象)や座屈は、使用を続けると重大事故につながるため即交換です。

交換の判断基準(厚労省の規定ベース)

点検結果をもとに、交換の必要性を判断する基準は 厚生労働省「クレーン等安全規則」
と、必要に応じて JIS規格(ワイヤーロープの点検基準) を参考にします。

一般的な交換の目安は以下です。

  • 一定長さ内の素線切断数が限界値を超えている
  • 著しい摩耗、腐食、変形が見られる
  • キンク・座屈など、内部ストランドの崩壊が疑われる
  • 衝撃荷重が大きくかかった履歴がある
  • 荷を吊った際にロープの動きに異常がある

特に、キンクが1回でも発生した場合は即交換対象です
キンクはロープ内部を大きく損傷させ、安全率が確保できなくなるためです。

玉掛け技能講習で押さえる安全の要点

玉掛け技能講習では、玉掛けワイヤーロープを安全に扱うための基本として、以下の項目が重要視されています。

1. 使用前点検の徹底

日々の始業前点検を行い、異常があれば使用しない。

2. 正しい選定(より方・長さ・径)

作業内容、巻き取り方向、吊り荷の特性に合ったロープを選ぶ。

3. 過負荷を絶対にかけない

ロープの安全率(一般的に6以上)を超える荷重は厳禁。

4. 吊り角度・玉掛け方法の最適化

不適切な角度はロープに不均一な張力を与え、損傷を早める。

玉掛けワイヤーロープは、正しい点検と交換判断によって安全性を保つことができ、現場全体のリスクを大きく減らします。

ワイヤーロープのより方選びに迷ったときのポイント

JIS規格ワイヤーロープで加工した玉掛ワイヤーの信頼性

玉掛けワイヤーロープは、作業者の安全を直接支える「命綱」です。
そのため、以下の観点から JIS規格ワイヤーロープで加工した玉掛ワイヤー を選ぶことが重要です。

  • 品質が一定で信頼性が高い
    JIS規格は、ロープの寸法・構造・機械的性質に関する国家基準です。
    JIS規格ワイヤーロープを用いることで、強度・耐摩耗性・耐久性が安定します。
  • 入札・公共工事での要件を満たしやすい
    多くのインフラ関連工事はJIS適合品を前提としています。
  • 第三者認証による安心感
    メーカーの自主基準ではなく、公的な基準で品質が保証されます。

ニッサンスチールでは、こうした JIS規格のロープを使った玉掛けワイヤー加工 を行っており、現場が求める信頼性を担保しています。

用途に合わせた“より方”相談のポイント

より方(Zより・Sより)の選定は、現場の条件 × 吊り荷の特徴 × 巻き取り方向この3つの組み合わせで最適解が決まります。

メーカーに相談する際は、以下の情報を伝えると選定がスムーズです。

1. 使用機械の巻き取り方向(ウインチ・ドラム)

より方と巻き方向が合っていないと、ねじれやキンクの原因になります。

2. 荷の種類・形状・回転する可能性

丸物・細長い物は回転しやすく、より方の選定に影響します。

3. 使用環境(屋外/屋内、直線吊りか角度吊りか)

風の影響や作業角度によって、ロープへの負荷は変化します。

こうした情報を共有することで、「どちらのより方が現場の安全性を高められるか」
をメーカー側で適切に判断することができます。

迅速納品・別注対応の活用方法

ニッサンスチールでは、より方の選定だけでなく、以下のような実務的な強みで現場を支えています。

1. 需要の多いサイズを全国に迅速納品

6〜24mm/2〜4mといった玉掛けワイヤーのよく使われる長さ・径を豊富に在庫しています。
例:12mm × 3.5m なら1000本単位でも短納期で対応可能です。

2. 規格外サイズ・特注にも柔軟対応

「より方を変えたい」「端末加工を特殊仕様にしたい」など、通常ラインにない仕様にも対応できます。

3. 国産素材 × 中国加工のハイブリッドモデルで価格優位性

JIS規格の国産ワイヤーロープを使用しつつ、中国の協力工場で加工することで、高品質とコストメリットの両立を実現しています。

まとめ

ワイヤーロープのより方(Zより・Sより)は、見た目の違いだけではなく、荷の安定性・ねじれ発生の有無・キンクのリスク に大きく影響します。
現場に合わせてより方を正しく選ぶことで、作業の安全性やロープの寿命が大きく向上します。

本記事で解説したように、

  • より方向はロープのねじれ挙動を左右する
  • Zより・Sよりは用途によって向き不向きがある
  • キンクは扱い方ひとつで防止できる
  • 日常点検と適切な交換判断が安全確保の基本
  • 迷ったときはメーカーに相談するのが最も確実

といったポイントを押さえることで、トラブルの多くは未然に防ぐことができます。

ニッサンスチールでは、JIS規格ワイヤーロープで加工した玉掛ワイヤーを中心に、
迅速納品・別注対応の体制を整え、現場の「困った」に寄り添ったサポートを行っています。

より方の選定や仕様の相談など、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。

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