ワイヤーロープ荷重表の見方と使いこなし術| 破断荷重と安全荷重を解説

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ワイヤーロープの荷重表を見ても、「破断荷重と安全荷重の違いがわからない」「角度や本数で荷重がどれだけ変わるのか不安」という声は多く聞かれます。
特に現場では、

  • 吊り角度や安全率の理解不足による過荷重
  • 荷重表の誤読によるロープ破断リスク
  • 規格外ロープ使用時の判断ミス

が危険につながります。

本記事では、破断荷重と安全荷重の正しい見方・角度別使用荷重の算出方法・JIS規格の信頼性を解説します。
現場を守る安全で適切な「荷重表の使い方」をお伝えします。

「自社の作業条件に合う安全荷重を知りたい」「JIS規格のロープを選びたい」という方は、ニッサンスチールまでお気軽にご相談ください。

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ニッサンスチールJIS規格のワイヤーロープを基盤に、安全性を保証しながら、規格外・特注や大ロットにも柔軟に対応します。
国産素材×海外加工でコストも最適化初めての調達でも安心してご相談ください。

目次

ワイヤーロープ荷重表とは?

荷重表の目的と役割

ワイヤーロープ荷重表は、吊り作業における安全性を確保するための基礎資料です。ロープ径ごとに、破断荷重・安全荷重・吊り角度などの情報が一覧でまとめられており、現場での判断に活用されます。
特に建設現場や製造ラインでは、荷の重量や吊り角度を確認することが重要です。荷重表を理解しておけば、過荷重によるロープ破断や転倒事故を防ぐことができます。

荷重表に記載される主な項目

荷重表には以下の項目が記載されています。

  • ロープ径(mm):ワイヤーロープの太さ。安全荷重の基本となる数値。
  • 破断荷重(kNまたはt):ワイヤーが破断する限界の荷重。
  • 安全荷重(kNまたはt):実際に使用可能な荷重。通常は破断荷重の1/6または1/4。
  • 吊り角度(度):吊り荷を複数点で支えるときの角度。角度が大きいほど荷重が増加する。
  • 安全率:破断荷重に対する使用荷重の比率。JISや労働安全衛生法に基づく。

これらの項目を正確に把握することが、安全な作業には欠かせません。

JIS規格と荷重表の関係

荷重表に掲載される数値は、多くの場合、JIS規格ワイヤーロープのデータを基に作成されています。
JIS規格を取得した製品は、引張試験・構成検査・素線径公差など、厳格な基準を満たしているため安心できるのが特長です。
ニッサンスチールでは、JIS規格準拠のワイヤーロープを使用し、現場安全を支える製品を提供しています。

「JIS規格のワイヤーロープを使いたい」「自社作業に合う安全荷重を知りたい」という方は、ニッサンスチールまでお気軽にお問い合わせください。

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破断荷重と安全荷重の違い

破断荷重とは

破断荷重とは、ワイヤーロープが破断する直前の最大荷重を示します。
試験機による引張試験で求められるもので、製品の強度が示されています。
同じ径でも、構成(6×24・6×37など)や素材(炭素鋼・ステンレス)によって破断荷重は変わります。
この値はあくまで参考値であり、実際の作業にそのまま適用すると危険につながりかねません。

安全荷重とは

安全荷重とは、実際に使用しても安全が確保される荷重のことです。
破断荷重に安全率を掛け合わせて求められます。たとえば安全率6倍であれば、
「安全荷重 = 破断荷重 ÷ 6」となります。
荷重変動が少ない固定的用途(ウインチ巻上げなど)では安全率4倍が採用される場合もあります。

計算例
破断荷重が12tのワイヤーロープで安全率6の場合:[安全荷重] = 12 ÷ 6 = 2t

安全率の基準と計算方法

日本の「クレーン等安全規則」では、吊り具には十分な強度を確保することが求められています。 ワイヤーロープでは一般に安全率6以上が目安とされていますが用途によっては4倍や8倍といった値も採用されるケースがあります。

  • 吊り荷用ワイヤーロープ:安全率6倍
  • ウインチ・固定荷重用途:安全率4倍
  • 特殊用途(航空・高所作業など):安全率8倍

吊り角度・本数で変わる使用荷重の見方

吊り角度が荷重に与える影響

吊り角度が大きくなるほど、ロープにかかる張力は増大します。
例えば、吊り角度0°(垂直吊り)では荷重が100%伝達されますが、
60°では約115%、90°では約140%の張力が発生します。
このため、角度補正を行わずに作業すると、ロープの許容荷重を超えて破断につながる危険があります。

吊り角度によるロープ張力の増加

1本吊り・2本吊り・4本吊りの違い

また、吊り本数によっても荷重分散の仕方が異なります。
1本吊りは全荷重を1本で受けますが、2本吊りでは理論上半分ずつ荷重が分散します。
ただし、実際には角度や荷の重心によって均等には分散されないため、
安全率を見込んで補正係数を掛けるのが一般的です。

角度別・径別の使用荷重表(30°・60°など)

代表的な数値の目安を以下に示します(例:6×24構成ロープ、JIS規格準拠)。

ロープ径(mm)破断荷重(ton)安全率6倍時の安全荷重(ton)吊り角度60°使用荷重(ton)
128.21.371.15
1614.62.432.1
24335.54.75


※上表は一般的な計算例であり、使用条件・端末形状により変動します。

荷重表を安全に使うための注意点

荷重表を使う前に確認すべき3項目

荷重表を活用する前に、以下を確認しましょう。

  • 使用するロープ径・構成(6×24、6×37など)
  • 端末加工の種類(玉掛け、ソケット、アイ加工など)
  • 吊り角度と荷の重心位置

これらを誤ると、荷重表の値が実際の条件に合わず、誤った判断につながります。

誤読を防ぐためのポイント

  • 破断荷重を安全荷重と勘違いしない
  • 単位(kN/ton)を混同しない
  • 吊り角度補正を忘れない

これらは現場で起こりやすいミスです。チェックリスト化して共有することなども事故の防止につながります。

安全管理と点検記録の重要性

荷重表の理解と同様に重要なのが、定期点検と記録です。
素線切断・腐食・摩耗が見られた場合は早急に交換し、
「使用回数・交換履歴」を記録しておくことが安全維持につながります。

ワイヤーロープの荷重表についてよくある質問(Q&A)

Q1:破断荷重と安全荷重はどう見分ければいいですか?

A: 荷重表の「破断荷重」はロープが切断する限界値、「安全荷重」は実際に使用できる上限値です。
通常、破断荷重を安全率(6倍や4倍)で割った値が安全荷重として記載されています。
荷重表を見る際は、単位(kN・ton)とともに、「どちらの値か」を必ず確認しましょう。

Q2:安全率6倍と4倍、どちらを使えばいいですか?

A: 基本的には吊り荷作業=安全率6倍が推奨です。
固定荷重や一定条件下で使う場合は安全率4倍が採用されることもあります。
ただし、現場環境や荷の重心が不安定な場合は、6倍以上の余裕を確保するのが望ましいです。

Q3:吊り角度60°を超えても作業できますか?

A: 60°を超える吊り角度では、ロープ張力が急激に増加します。
例えば90°ではおよそ1.4倍の荷重がかかるため、角度補正をした安全荷重で判断する必要があります。
可能な限り角度を小さくし、安定性を確保してください。

吊り角度によるロープ張力倍率

Q4:2本吊りと4本吊りで荷重表の見方は変わりますか?

A: 吊り本数が増えるほど理論上は荷重が分散しますが、実際は角度や荷の重心で不均等になるため、荷重表の「補正係数」を確認して使用することが重要です。

Q5:荷重表に載っていないサイズや構成のロープを使いたい場合は?

A: 標準表にないサイズや構成(例:7×19、特殊芯材)を使う場合は、メーカーへの確認が必要です。
ニッサンスチールでは、規格外サイズ・特注対応も行っており、計算書付きで安全荷重の提供も可能です。

まとめ|正しい荷重理解が安全施工を支える

破断荷重と安全荷重の違い、角度や本数による使用荷重の変化、安全率の基準などを理解することは、現場の安全管理の第一歩です。

正しい読み方と活用ができれば、事故の防止・コスト削減・品質維持に直結します。
そして、JIS規格の高品質ロープを選べば、荷重表の数値を活用することができます。

ニッサンスチールでは、国産素材を用いたJIS規格準拠のワイヤーロープを、全国へ迅速納品しています。
規格外・特注対応や荷重表の対応も行っています。
現場の安全と信頼を支えるワイヤーロープをお探しの方へ。
JIS規格対応メーカー・ニッサンスチールが、用途に最適な製品と技術情報を提供します。

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